府中市武蔵台には崖線の周辺に多くの病院が建っています。これは、このあたりの環境が患者の療養に適当なものだったことを意味しています。それを証明するように、崖線部分は雑木林のまま保存され、都有地を府中市が借り受けて、武蔵台公園として公開されています。ほとんど手を加えられていない雑木林には、コナラやクヌギ、アカマツといった武蔵野本来の姿を見ることができます。
崖線といっても、ガケになっているのではなく、急勾配の斜面が続いています。そこに多くの樹木が生えています。ただ、残念なことに、ここでは林床の手入れが行われていないため、人が踏まない地面のほとんどが笹で被われてしまっています。かつてはキンランやシュンラン、リンドウなどの野草が生えていたようですが、今では見つけることができません。
公園は敷地続きで国分寺市の黒金公園へ、さらには国分尼寺跡や鎌倉古道へと続いています。