都立農業高校は府中市にあり、都立高校としては最大の敷地面積を持っています。その大部分は農場ですが、農業高校の教育内容から、台地上の農地だけでは足りず、深大寺に湧水を利用した農場を保有しています。
その立地は国分寺崖線が湧水の流れによって深く浸食された谷間にあります。谷にはいくつもの湧水源があり、いくつかの池を満たしてわさび田や鱒の養殖池に注ぎ込みます。
かつては野川流域には多くのわさび田がありましたが、いまではほとんど見られません。ここでも、湧水の量が安定せず、わさび田に十分な水が流れないこともあるようです。
水が農場を取り囲む崖線は深い緑に被われ、人の気配を感じさせません。農場から湧き出した水は、やがて谷の南にある深大寺自然広場へと流れ出ていきます。