大学通り

 国立のシンボル、三角屋根の国立駅舎と、その正面に伸びる大学通り。しかし、この風景は、失われました。

 国立は大正時代の計画都市です。しかし、大学通りは自動車のない時代の計画とは思えないほどゆったりとした4車線道路と、幅の広い緑地帯、さらに歩道が整備されています。緑地帯にはサクラやイチョウが植えられ、季節ごとに市民の目を楽しませてくれます。当時の開発者の先見性には脱帽します。

 三角屋根の国立駅は、現在、解体の危機にあります。JR中央線の高架線計画によって、現駅舎はそのままま使用していくことが難しいというのが、その理由です。国立駅の三角屋根はまぎれもなく国立のシンボルであり、市民の根強い保存運動が続いています。1998年には運輸省関東運輸局の「関東の駅百選」にも選ばれています。


 冒頭、「この風景は失われました」と書きました。この写真を撮った、都立国立高校前の歩道橋から国立駅方向を眺めても,もはやこの写真のようには見えません。今では国立駅の後方に高層マンションが建ってしまったために、国立の特徴的な景観が壊されてしまったのです。

 今、国立では、大規模なマンション計画が至る所で計画されています。集合住宅の必要性を否定するわけではありまんが、低層住宅による景観と住環境を特徴としてきた国立で、景観と住環境を破壊しながら、景観と住環境を売りにしているのは、納得がいかない行為です。

 この数年、国立市の環境は急速に悪化しています。国立だけでなく、京都など、歴史的・文化的景観を持つ街が、行政・大手資本の安易な開発行為によって消えつつあります。私たち日本人は、かつての経済至上主義で公害その他の問題を自覚したはずでした。しかし、今、再び経済至上主義が横行し、小市民のささやかな生活や、わずかに残された貴重な緑地が標的にされていることは、まったく許しがたいことです。

 経済も大事ですが、これからは私たちはもっと、心の豊かさを求めていくべきではないでしょうか。そういう思いから、製作者はこのウェブサイトを立ち上げました。その意味では、国立は府中近隣ではもっとも象徴的で危機的な状況にあります。

 

大学通り

場所 国立市東、中、富士見台
交通 JR中央線 国立駅 またはJR南武線 谷保駅から徒歩5分
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