市の南部、市民健康センター付近からはじまって、多摩川競艇場の北側、競艇場通りに至るこの緑道は、他の緑道の多くが農業用水路を利用しているのと同じように、農業用水路の跡に作られています。名前が示すとおり、かつては2つの村がこの用水路を使っていたのでしょう。水路は歩道とほとんど変わらない高さにあり、他のどの緑道よりも親水性の高い緑道になっています。
二ヶ村緑道は、大きくふたつの表情があります。ひとつは、市民健康センターから府中街道までの区間、もうひとつが府中街道から競艇場通りまでの区間です。
市民健康センター方面からこの緑道を辿ると、木々に囲まれた遊歩道を楽しむことができます。南武線鉄橋の西側にはサントリー・ラグビー部のグラウンドがあり、青々とした芝の上でラグビーの練習をする姿を見ることができます。両側は木々で囲まれ、歩道と水の流れが心地よさを感じさせてくれます。
府中街道を過ぎると、木々と水の流れはありますが、それまでより日当たりがいい歩道となります。このあたりの茂みには、オナガのような野鳥も隠れていて、通る人の目を楽しませてくれます。ところが残念なことに、競艇場の裏側まで来ると、水路があるにもかかわらず、水の流れが消えてしまいます。
この付近にはもうひとつ、三ヶ村遊歩道という散歩道がありましたが、最近、都市計画道路の新設によって一部寸断されてしまいました。もともと道路建設がはじまる前の暫定利用的な遊歩道だったようですが、なくなってしまったことは残念で、それゆえに二ヶ村緑道のような気持ちのいい道を大事にしたいものです。