府中の巨樹

 

府中市内の幹回り3メートル以上の巨樹をご紹介します。



この一覧表は,1988年の第4回自然環境保全基礎調査(緑の国勢調査)の一環として,幹回り3メートル以上の樹木を対象に行われた調査結果を基に,府中市内の樹木を紹介するものです。
この調査で確認された東京都内の巨樹は1,663本で,うち府中市には46本が報告されました。最も多かったのは港区の150本で,区市町村別では府中市は7番目,区部を除くと最も多く巨樹が存在していることがわかりました(島嶼も含む)。

もっとも,この調査以降,山間部や島嶼などで新たに巨樹が発見されており,また,府中でも巨樹として知られている「大國魂神社の大イチョウ」「大國魂神社(鳥居前)のケヤキ」が含まれていないなど,完璧なものではありません。
その理由として,「
日本の巨樹・巨木」の高橋さんから,府中市の場合は,その域内の代表的なもののみが掲載されている,との説明をいただきました。実際,環境庁に存在が報告されているにもかかわらず,資料にデータが掲載されていない樹が54本ありました。さらに,東京農工大学の巨樹が報告されていないことから,まったく調査が行われていない地域もあるようです。

調査から10年以上が経過し,既に存在しない巨樹もあります。現在,新たに巨樹調査が行われており,その集計結果は2001年に公表される見込みです。公表され次第,データを更新したいと思います。

※巨樹の基準は通常,地上高1.3mでの幹周です。まれに高さを基準にしている人もいますが,樹の上部はよく欠損するので適当とはいえません。概要はこのページ下に掲載しています。

 

所在地 樹種名 幹周cm 樹高m 枝張m 株立 製作者注
宮西町 ケヤキ 1000 17 12 1 矢島稲荷の大ケヤキ
(樹種別で全国11位,都2位。現在は実質都1位)
宮町 イチョウ 910 23 21   大國魂神社の大イチョウ
(樹種別で全国33位,都2位)
宮町 ケヤキ 720 29 10 1 大國魂神社のケヤキ(社殿西側)
(樹種別で都4位)
(大國魂神社境内には実測で30本の巨樹があった)
武蔵台 (サクラ) 700 18 18 5 武蔵台公園のイヌザクラ
(株立ちのためランク対象外。現在は病気により衰退)
(武蔵台公園には実測で2本の巨樹があった)
宮町 ケヤキ 680 7 16 1 大國魂神社のケヤキ(鳥居前)
宮町 ケヤキ 630 7   1 日吉神社のケヤキ
寿町 ケヤキ 620 22 11 1 馬場大門ケヤキ並木のうち代表的なもの
(馬場大門ケヤキ並木には実測で9本の巨樹があった)
若松町 (サクラ) 590 22 21 11 浅間山公園のイヌザクラ
本町 ケヤキ 510 15   1 金比羅神社の所有
幸町 コブシ 510 19 24   農工大のコブシ(倒伏し現存しない)
是政 ケヤキ 500 14 10 1 是政八幡神社のケヤキ
宮町 ムクノキ 500 28 22 1 大國魂神社のムクノキ
(樹種別で都1位)
武蔵台 (サクラ) 470 12   5 (この法人敷地内には実測で8本の巨樹があった)
若松町 ケヤキ 456 19   1 常久八幡神社の所有
(常久八幡神社には実測で2本の巨樹があった)
八幡町 ケヤキ 440 25   1 鳩林荘の所有と思われる
(この法人敷地内には実測で6本の巨樹があった)
清水が丘 ケヤキ 430 18 12 1 瀧神社のケヤキ
本町 (マツ) 430 13   1 社寺の所有
本宿町 イチョウ 420 20 5 1 本宿稲荷神社のイチョウ
西府町 イチョウ 407 18   1 本宿共同墓地のイチョウ
片町 ケヤキ 400 30 18 1 高安寺のケヤキのうち代表的なもの
(高安寺には実測で4本の巨樹があった)
本町 イチョウ 390 25 10 1 妙光院のイチョウ
押立町 イチョウ 384 12   1  
白糸台 ケヤキ 380 22 20 1 本願寺のケヤキ
宮町 クスノキ 380 25 7 1 中田家のクスノキ
栄町 イチョウ 380 18   3 明星学苑の所有と思われる
本宿町 タブノキ 380 12 8 1 松本家のタブノキ
多磨町 スギ 360 18.5 17 1 多磨霊園のスギ
紅葉丘 シンジュ 360 11   1  
日吉町 クスノキ 360 18   1 国(日本中央競馬会)の所有
宮町 カヤノキ 350 20 12 1 大津家のカヤ
日吉町 ムクノキ 350 25 9 1 競馬場のムクノキ
四谷 ケヤキ 348 13   1 三社宮の所有
南町 ケヤキ 343 11   1  
押立町 イチョウ 340 25 7 1 押立神社のイチョウ
是政 ケヤキ 336 10   1 社寺の所有
新町 コナラ 333 13   1  
美好町 ヒイラギ 325 5   1  
四谷 ケヤキ 321 9   1  
幸町 (スギ) 320 24 19 1 農工大のヒマラヤスギ
是政 プラタナス 320 16 13 1 西蔵院のプラタナス(道路拡張工事により伐採)
西府町 イチョウ 317 18   1 本宿共同墓地のイチョウ
四谷 ケヤキ 314 9   1  
是政 ケヤキ 313 14   1  
是政 ケヤキ 310 9   1  
晴見町 ケヤキ 310 18   1 国の所有
美好町 イチョウ 308 13   1 美好町の浅間神社の所有
白糸台 ケヤキ 305 25   1 上染屋八幡神社の所有
清水が丘 イチョウ 305 23   1 社寺の所有
多磨町 スダジイ 300 9   1 東京都の所有
浅間町 (サクラ) 300 13   1 国の所有
是政 ケヤキ 300 17   1 社寺の所有
四谷 ケヤキ 300 14.5 13 1 三社宮のケヤキ

 


巨樹・巨木林調査実施概要

巨樹・巨木林の調査にあたっては、以下のような要領に基づいて実施され、報告があったものについて記載した。

〈調査対象基準〉
地上から約130cmの位置での幹周(囲)が300cm以上の樹木、またはこれらが生育している樹林・並木等。なお、地上から約130cmの位置において幹が複数に分かれている樹木の場合は、個々の幹の幹周の合計が300cm以上であり、そのうちの主幹の幹周が200cm以上のものとする。

〈調査の基礎的項目〉
・所在地(管理者)
・所有者
・樹齢(林齢)
・林(並木)内の巨木本数
・巨木測定値

〈巨木測定値の基準〉
・幹周−地上から約130cmの位置での幹周をセンチメートル単位で測定。地上から約130cmの位置において幹が複数に分かれている場合には、個々の幹の幹周を測定し、それらを合計。
また、当該巨樹が斜面に生育している場合には、山側の地上から約130cmの位置で測定。
測定が危険であるなど、やむを得ない場合は既存データによった。
・樹高−メートル単位で測定。ただし、実測が困難な場合には目測によった。
・枝張−樹冠の広がりを、東西方向および南北方向それぞれについて測定し、実測が困難な場合は目測によった。
なお、(中略)枝張項目の数値は、東西・南北の平均値で示した。
・株立−地上から約130cmでの株立ちの本数。

東京都『樹 東京の巨樹』から引用

 

・表は東京都『樹 東京の巨樹』を基に,環境庁『第4回自然環境保全基礎調査 日本の巨樹・巨木林 関東版(II)』および東京都府中市『府中の名木百選』を参考にして製作した。調査主体はいずれも府中市グリーンシティ事業本部(当時)。
・「?」があるのは,データの一部が各資料間で微妙に違う等の事情で確定できなかったもの。
・「(○○には実測で○本の巨樹があった)」と記した樹は,その敷地内の有力な樹一本のデータのみが掲載されている。これは必ずしも最大のものではない。大國魂神社のように,他の巨樹のいくつかにデータがあるものは別記している。
・「※」が付されている樹は,環境庁調査で報告されていない樹で,「府中の名木百選」にある巨樹である。
・明らかに調査基準を誤用している樹もあるが、そのまま掲載した。誤用しているのは、「武蔵台公園のイヌザクラ」「浅間山公園のイヌザクラ」などである。これらは、株立ちの場合、主幹の幹周が2m以上であるという条件をクリアしてるとは考えられない。なお、製作者が追加した「農工大のコブシ」は、調査時点では該当したと思われるが、現在は主幹が伐採されているため、巨樹要件に該当していないと思われる。


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