府中の象徴とも言えるこのケヤキ並木は、大國魂神社の参道に沿って南北560m続いており、日本でも最も重要なケヤキ並木といえるでしょう。国の天然記念物に指定されています。
ケヤキ並木の起源は1062年にまで遡ります。平安時代、奥州安倍一族の乱を鎮圧するため、源頼義・義家父子が大國魂神社に戦勝祈願をし、平定することができたため,帰途にケヤキの苗1,000本を寄進たのが、始まりです。
その後、鎌倉時代末期に府中は鎌倉幕府軍と朝廷方の戦場となり、国府としての栄華も失われましたが、江戸時代に入り大阪の役で戦勝した徳川家康が、ケヤキ並木の両側に馬場(馬の市場)を献納し、同時にケヤキ並木を補植しました。府中は湧水の質が高く、良質の軍馬を生産していたことが、馬場献納の理由です。また、江戸幕府の五街道整備により、府中は甲州街道の重要な宿場町となったため、馬の需要が高くなりました。こうして、「馬場」のあるケヤキ並木が成立しました。