大國魂神社のケヤキ(鳥居前)

 大國魂神社大鳥居前にある、一対のケヤキのうち、西側(拝殿向って右)のケヤキが、「府中の名木百選」に指定されているケヤキです。この樹は単独の樹として登録されていますが,この正面を北に向って続く馬場大門ケヤキ並木の最初の一本が、旧甲州街道によって並木と切り離されたものだと思われます。

 はじめて府中を訪れる人は、恐らくこの樹を見てとても驚くのではないでしょうか。東京の、市街地の中心に、幹周6.8mという巨樹が堂々と鎮座しているのですから。横断歩道を渡り、樹の傍に立つと、その幹の巨大さがよく分かります。江戸時代に整備された甲州街道が、西暦111年創建と言われる大國魂神社の前を横切る場所にあるこの樹は、長い間、府中宿の人々や旅人たちを見守ってきたことでしょう。

 現在では、旅人の姿に変わって、多くの車がケヤキの前を行き交います。現在の旧甲州街道は、中心市街地を過ぎると、その両側で道が狭く、週末には近くの東京競馬場や買い物に訪れる車が大きな渋滞を起こします。そのこともあってか、ケヤキはどこか元気がありません。葉は小さく、夏場にはまるまる一枝の葉が枯れてしまうこともあります。残念ながら、現代の府中の環境は、この歴史の証人には厳しすぎるように感じます。

 高齢のために痛み具合も大きいのですが、それでも鳥居前のケヤキは巨樹の街・府中にあって、もっとも姿の美しい巨樹ではないかと思います。夏の暑い日には大きな木陰と安らぎを提供してくれるこのケヤキが、いつまでも府中を見守りつづけてくれることを願います。

 

大國魂神社のケヤキ(鳥居前)

場所 府中市宮町3丁目1番地 大國魂神社
交通 京王電鉄 府中駅 徒歩5分 またはJR府中本町駅 徒歩7分
樹のデータ 幹周6.8m 樹高約7m 推定樹齢400年
所有者 大國魂神社 →大國魂神社ウェブサイトはこちら
保護制度 指定なし(府中の名木百選)

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