現在は味の素スタジアムや東京外国語大学などが建ち並ぶ、府中市と調布市の境界にある一体のことを、俗称で「関東村」と呼びます。ここにはかつて旧帝国陸軍の帝都防空部隊基地がありました(戦闘部隊は配属されなかったという説もあります)。戦後、米軍基地や米軍住宅となり、昭和47(1972)年に返還となります。
その関東村には、甲州街道に沿ってポプラ並木があります。1983年には府中市の市政30周年を記念して選定した「府中30景」のひとつに数えられました。
長いこと土地利用計画が策定されず放置され、暫定運動施設(少年野球場)として利用されてきたこの場所は、府中市との協定によって榊原記念病院が進出し、2002年から病院の敷地となりました。並木の景観が変化することも心配されましたが、建物にかかる一部の樹を切り倒した以外は緑地帯として保護され、現在に至っています。
このポプラ並木、以前は調布市境を越えて並木が並んでいたのですが、味の素スタジアム関連の整備工事によって切り払われてしまい、味の素スタジアム付近に2〜3本残るほかは、並木として現存するのは府中市内の部分のみとなってしまいました。