エゴノキは武蔵野の雑木林で普通に見られる樹で、ここがかつて雑木林であったことの名残ともいえるでしょう。
ここでさして大きくもなく、何の指定も受けていないエゴノキを紹介するのは、この樹の樹形の美しさにあります。雑木林のエゴノキは、何度も伐採され、そのたびに株から萌芽更新をするので、株立ちになっていることは珍しくありません。このエゴノキも株立ちですが、その幹の広がり方は得がたいほどに均整の取れた美しさを見せています。
本来は私有地ながら、土地の形が建物を建てるのに向いていないことから、府中市がこの土地を借り受けてスポットパークにしています。エゴノキは、このスポットパークの象徴と言っても差し支えないでしょう。ウッドベンチなどが、エゴノキの日陰に寄り添うように配置され、街角のうるおいを感じさせる空間を演出してくれます。5月頃にはエゴノキの特徴でもある、枝いっぱいの白い花を咲かせ,楽しませてくれています。
写真左手の方には、関東医療少年院があります。ここの敷地沿いには見事なサクラ並木があり、またフェンスに植えられたサザンカ、フェンス越しの敷地内にはコナラなどの雑木林も僅かながら残っており、東八道路に交わるグリーンベルトを形作っています。