松本家のタブノキ
タブノキは温暖な沿岸性の常緑樹でクスノキの仲間です。沿岸性ということは、内陸の府中には本来自然植生としては存在しにくい樹です。ただ、内陸にまったくないのかといえば、そんなことはなく、古い時代に沿岸地域と交流があった内陸の地域には、かなり大きな樹が植えられていることが少なくありません。松本家のタブノキも、そのような由来があるのではないかという気がします。 この周辺は、区画整理事業が予定されています。この地域には、かつて西府村の役場があり、南武線の駅もありましたが、現在はありません。公共交通の便が悪いここに新駅を設置し、駅前になる地区の区画整理を行う予定ですが、このタブノキに面する道路がその区画整理地区の北側の境界となります。そのため、タブノキに対する影響が心配されますが、区画整理組合準備会によれば現状位置で保存されるとのことで、まずは一安心です。 しかし、これだけの大きさのタブノキが、単に保存樹木としての指定しか受けていないことには非常に疑問を感じます。樹木の保護に関しては自治体の対応はまちまちで、残念ながら府中市の対応には熱意があるとは言えません。所有者のお立場もあるとは思いますが、もし、この樹が調布市にあれば、恐らく天然記念物に指定されているでしょう。そう思うと、少し残念になります。
2003年春、残念ながら隣接する商業施設敷地のケヤキと共に激しく枝打ちされ、見るも無残な姿になってしまいました。早く傷跡を隠すくらいに葉を茂らせてほしいと願うばかりです。
近くには本宿稲荷のイチョウや本宿共同墓地のイチョウといった大きなイチョウの樹が複数います。また、第五小学校には創立当時に植えられ大きく育ったクスノキもいます。ぜひ訪ねてみてください。
松本家のタブノキを訪れる際には以下の点に注意してください。
このタブノキは個人住宅の敷地内にあります。勝手に立ち入らないで、道路から眺めるようにしましょう。所有者に迷惑をかけるような行為はもってのほかです。
松本家のタブノキ
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場所 |
府中市本宿町2丁目24番地の1 |
交通 |
JR南武線 西府駅 徒歩3分 |
樹のデータ |
幹周3.8m 樹高約12m |
所有者
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(個人) |
保護制度 |
指定なし(府中の名木百選) |
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