有馬のハルニレ

 ハルニレは、分布的には北海道から九州まであるとされていますが、実際には北海道以外では、あまり目にすることのない樹です。

 だというのに、神奈川県のど真ん中にいる、この有馬のハルニレは日本最大のハルニレです。もちろん、見ての通り、かなり痛みが激しいのですが、ここまで育ったということは、ここの環境がかなり合っていたということになると思います。しかし、このあたりにはやはり見られない樹だけに、ナンジャモンジャの一名が付いています。

 もともと、この樹は植栽されたもので、徳川3代将軍家光の御典医をしていた半井驢庵(なからい・ろあん)という人物が朝鮮半島から持ち帰り、ここにあった下屋敷の門前に植えたものだそうです。門前ということは当然1対だったのですが、明治時代に1本は火災で焼失したといいます。

 訪れた際、ハルニレの正確な場所を示す地図がなく、少々探しましたが、割合交通量の少ない道路沿いにいるのを見つけました。道路の向かいは発電所ですが、ハルニレの裏手は空き地で、日当たりは抜群。南の方には県の畜産試験場もあり、なんだか北海道そのものといった雰囲気の中にいました。

 現在は樹勢回復処置の最中のようで、洞には竹で作った覆いが被せられ、ピラミッドのような支えで囲われていました。しかし葉もしっかりと付いていて、一生懸命生きているよ、と言っているようです。まだまだ、頑張って生きてほしいものです。

 

有馬のハルニレ

場所 神奈川県海老名市本郷3881番地
交通 JR相模線 社家駅 徒歩30分
または小田急小田原線 本厚木駅からバス「根恩馬」下車歩10分
樹のデータ 幹周7.5m 樹高約20m 推定樹齢350年
保護制度 神奈川県指定天然記念物 (かながわの名木100選)

Mapionで場所を確認する。


トップページへ

Copyright(C) 2001-,ManoJuhske,All rights reserved

inserted by FC2 system