街道筋を離れ、少し南側の山裾に入っていきます。竹やぶの前に車を止め、牛小屋の脇を通り(一声あいさつをしていきましょう!)、動物避けの電気柵をはずして森の中に入ると、そこに何とも奇妙な樹形のスギが立っていました。
まるで4本の鎗を地面に突き立てたような姿。4本のスギが根元で癒着したのか、あるいは落雷で4つに裂けたのか。いずれにしても不思議な姿です。
周囲には社もあり、昔からこの樹が信仰の対象とされてきたことが分かります。訪れた日は生憎の雨だったのですが、周囲は草が生えず、雨水が地表を洗い流していることからも、頻繁に人が訪れていることが分かります。ただ、樹にとってはあまりいい状態とはいえないかもせいません。
樹には「四本杉」という名のほかに、「四本辻」という名もあるようです。辻とはこの地区の地名ですが、樹の名前が先か、あるいは地名が先か、興味ある名称です。ほかにも、「鎮守の森」「稲荷の森」と呼ばれていたとのこと、1本でも森のように大きい、ということでしょうか。