禅寺丸とはカキの1品種で、1214年、現在の川崎市柿生にある王禅寺で発見されたことから、この名がつきました。現在のような品種改良の進んだものではないので、果実は小さいのですが、甘い果実が人気で江戸時代には大量消費されました。
そのため、多摩地方の旧家には、禅寺丸の古木がよく見られますが、この佐須の古木はその中でも大きいもので、特に貴重な1本であるとされています。
また、この古木を所有されているお宅の母屋は茅葺の趣きある建物で、そのために秋にあると禅寺丸と茅葺屋根を目当てに多くの写真マニアが訪れます。それで、こちらのお宅は非常に迷惑されているとのこと。天然記念物指定の返上も考えられているとの話も聞きます。せっかくの名木を守りつづけるためにも、守ってきた方のためにも、見学・撮影の際には、人として最低限のマナーを守りたいものです。