日本でただ一本の枝垂れるアカシデが日の出町にあります。アカシデは落葉樹なので、冬には葉を落としているのですが、その姿のほうが美しいようなので、1月の晴れた日に足を伸ばしてみました。
武蔵五日市の駅から北へ坂を登り、登りきったあたりのわき道に入ってすぐのところに幸神神社があります。シダレアカシデは、社殿から少し離れた斜面に立っていました。周囲は歩道が整備され、立派な看板も立っていましたが、なにぶんこの季節、斜面の石畳の上に積もった雪が凍りつき、転びそうになること数回。
しかし、それでもこの樹を見にきただけの甲斐はあったように思います。思っていたより小さなシダレアカシデは樹高約5mでまるで大きな盆栽のよう。その枝の枝垂れ方は、本当に自然のものかと疑いたくなるほど整っています。
このシダレアカシデ、冒頭にも書きましたが、日本で(世界でも?)ただ一本しかないものです。かつては北陸地方にもあったようですが、既に枯れてしまったとのこと。この日の出のシダレアカシデの種子を使って新たなシダレアカシデを作ろうとしたこともあるようですが、何故か枝は枝垂れずに上へと延びてしまったそうです。自然というものは何とも不思議で掛け替えのないものなのですね。