杉が多い高尾山の中でも特に有名な杉。独特のタコの足のような根には伝説があります。根が参道の工事で邪魔になるので、切り倒されるはずだった蛸杉は、一晩のうちに根を参道の予定地から外すように曲げてしまい、伐採を免れた、というものです。
根が珍しいというだけでなく、蛸杉は有数の巨樹で、高尾山のなかでも飯盛杉に次ぐ巨樹とされています。
タコの足のような根は珍しいため、人がよく触って、今のように滑らかな肌になってしまったようです。いよいよタコの足に似てきました。しかし、高尾山の参道沿いには、根が露出した樹が非常に目立ちます。参道の拡張・舗装工事によってたびたび掘り返され、根が露出しているのです。人にとって身近な自然の宝庫となっている高尾山ですが、自然に対しては強烈なインパクトを与えてしまっています。遊びには行きたい、しかし高尾山のオーバーユースについてはよく考え直さなければいけません。