長興山のシダレザクラ

  有名なサクラは数あれど、なかなか東京から近い場所には多くありません。また、歴史を持つサクラもあまりいません。それは、今の主流種のソメイヨシノが交配種で短命なことと無関係ではないでしょう。

 ここに、300年の歴史をもつサクラがいます。新宿から約1時間半、小田原駅から更に箱根登山鉄道で3駅目の山中に、その古木は優雅に立っています。

 箱根登山鉄道・入生田駅。その北側の山腹に長興山があります。麓には東海道の古い街並みが、普段は国道と離れてひっそり並んでいますが、このサクラが咲き誇る季節だけは大勢の人ごみでにぎわいます。きつい坂を登ること約15分、不意に眼前に大きな白い樹形が飛び込んできます。

 なんという立派なサクラでしょうか。一本の幹がすっと伸び、そこから四方八方に枝を広げて、たくさんの花をつけています。幹は苔むし、時代を経てきたことを物語るかのようです。道路は更に山の上へと伸びているので、樹を見下ろすポジションにも大勢の人がシートを広げて観桜を楽しんでいます。私も樹を上から見下ろしてみました。すると面白いことに、全体の樹形から一本だけ上に突き出しています。何かの飾りのようで、ちょっと滑稽と言っては、樹に失礼でしょうか。

 

 

長興山のシダレザクラ

場所 神奈川県小田原市入生田470番地
交通 箱根登山鉄道線 入生田駅 徒歩20分
樹のデータ 幹周3.8m 樹高約13m 推定樹齢330年
保護制度 小田原市指定天然記念物 (かながわの名木100選)

Mapionで場所を確認する。


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