本厚木の市街地からちょっと外れたくらいの場所で、県道601号線沿い、厚木南公民館の北側にあります。最初に訪れたのは2002年の1月。湘南ベルマーレの練習場に行った帰り、バスの中から偶然見つけました。すっかり陽が傾いた夕暮れ、葉の落ちた巨樹との対面には若干の驚きがありました。こんな巨樹が、隠れているものなんだなあ、と。
イチョウは県道から見ると、小さな社の裏手にいます。太い主幹とやや若い支幹から成り、太い方は高さ2mくらいの場所に、東西に貫通する長径4〜50cmほどの穴があります。その少し上から2本に大きく分かれています。左の写真でも分かるように、一部の枝から気根も垂れていますが、全体としてオーソドックスな樹形をした、とても素直でいい樹でした。
平塚でのサッカー観戦に車で行くようになると、県道601号を使って市街地を抜けるので、必ずこの樹の前を通るようになりました。黄葉の時期をずーっと伺いながら通っていたのですが、サッカーのシーズン中はなかなか黄色くならず、結局盛りからは少し時期が遅れての再訪。細枝が多く、葉の量も尋常ではなかったようで、これだけ葉がまだついているにもかかわらず、県道のゴミ収集場所には袋いっぱいの黄葉がたくさん山積みされていました。
県道自体はそれほど交通量も多くない場所。周囲は住宅街で、その中に佇むイチョウの巨樹。とても素敵な場所にいる、素敵なイチョウなのですが、残念なことに、心無いひとが幹に落書きをしてしまっていました。それさえなけでば……。