上野原から北の山奥に入ること車で数十分、東京都・神奈川県との都県境を背後の三国峠に控える沢沿いにカツラの巨樹が待っています。
軍刀利神社の本殿を横に見つつ、ダムサイトを抜けて上ったところに、軍刀利神社の奥の院とカツラがあります。たくさんの幹とひこばえは一体何本あるのでしょう。その数え切れない幹の集合体が、ひとつの巨樹をつくってて、その半端じゃない大きさには圧倒されます。
この樹を訪れたのは10月半ば。カツラの紅葉が美しく、また落ち葉もたくさん足元に散っています。カツラの葉は発酵しはじめると特有の甘い匂いがするのですが、さすがにこの樹の大きさ。落ち葉の量も並ではないので、その匂いがかなり遠くまで漂っています。
少し手前には橋があり、ここで2本の沢が合流しています。つまり、カツラの巨樹は2つの沢に挟まれた場所にあります。カツラは水の多い場所を好む樹で、沢に挟まれたこの場所は、カツラが巨樹になるには非常に適した場所だったのでしょう。これだけ大きくなっても、カツラはまだまだ健康で、もっと大きくなりそうな雰囲気です。
軍刀利神社の入り口には町天然記念物のサイカチの巨樹があります。樹齢300年、幹周3.1mと、なかなかのものですが、痛みが激しいのが残念。訪れたときにはぜひ慰めてあげてください。