多摩モノレールに乗って多摩センターから北に向かうと、まず松が谷駅近くで尾根を越えます。すると、右手の眼下に大きなイチョウが見えます。
イチョウに付けられた名前から分かるように、もともとはここに神社があって、そのご神木として祭られていたようです。近年、多摩ニュータウンの開発に伴って神明社は近くの八幡神社へ移転(!)され、樹だけが残されました。跡地として残ったイチョウの周囲は、ベンチが雑草に隠れてしまうほど、放置されていて可哀想です。
推定樹齢500年というだけあって、このイチョウ、なかなか立派なものです。一部の枝からはいくつもの気根が垂れています。更に低い位置には、最近のものと思われる枝打ちの跡が残っています。この枝の跡もかなり太いもので、やはり気根が垂れていたのではないかと推測されます。
黄葉の時期を見計らって出かけてみると、大勢の人たちが銀杏拾いに出ていました。これだけ気根が多い樹なので、てっきり雄木だと思っていたので、銀杏が降ってくるのにはビックリしました。撮影中も風でゆれた梢から盛んに銀杏と葉が降り、美しい光景を見せてくれました。