甲州街道イチョウ並木
総延長数キロに及ぶ並木道というのは、あったとしても、都内で美観の優れたものはそうそうお目にかかれないでしょう。しかし、八王子市内の甲州街道に約4kmにわたって続くイチョウ並木は車で通り過ぎるだけの人にも楽しみを与えてくれる美しい並木です。
この並木道は昭和2(1927)年に植樹されたものです。当時、大正天皇が崩御されて、この高尾の地にその墓所である武蔵陵が建設されていました。その武蔵陵の周辺整備の一環として、この地域の甲州街道が道路改修され、それにあわせて800本ものイチョウが植樹されたのです。
沿道のイチョウは11月も半ばとなると美しく色づき、市民に愛されてきました。11月下旬にはイチョウ祭も開かれます。また、市内の酒販業者は、八王子のシンボルであるイチョウの葉が健康にいい、ということで、葉を使ったワインとリキュールを生産し、市内限定で販売をするなどしています。
(ただし現在は、このイチョウ並木のイチョウの葉は使われていません)
もちろん、これだけのイチョウともなれば、大量の落ち葉を処理しなくてはなりません。沿道住民や国土交通省が清掃作業をする様子は、訪れれば大抵どこかで見られる光景です。こういう人たちの苦労があって、その美しい並木が守られていることも忘れてはならないでしょう。
また、この並木、イチョウの雌雄選別ができていなかったために、あちらこちらで大量の銀杏が落ちているのが見られ、それらを目当てに多くの人が拾いに訪れます。しかし一部は通行者に踏まれ、独特の臭い匂いが辺りに広がっていたりします。うっかり踏んでしまうと自宅の玄関までもが臭くなりますから、どうぞご注意を。
沿道には、八王子市横山事務所の前にいる珍しいオオツクバネガシや、熊野神社のケヤキとシラカシの根が癒着した縁結びの樹など、他にも訪れていただきたい樹がいます。
甲州街道イチョウ並木
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場所 |
八王子市内の甲州街道 追分から高尾駅までの沿道約4km |
交通 |
JR中央線 西八王子駅または高尾駅 徒歩1分 |
樹のデータ |
1927年植樹 約800本 |
保護制度 |
八王子市指定天然記念物 |
Copyright(C)
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