熊野宮にはもともと、一本榎という神木がありました。これはかつて、このあたりが荒野だった頃、旅人が目印にしていたという大きなエノキで、1700年代にこの地域が開墾されるに先だって、そのエノキの元に熊野宮が置かれました。最初の榎は相当な大木だったようですが、その後まもなく枯死、2代目のエノキも大正時代に枯死し、現在、社殿の裏に3代目のエノキが植えられています。
こちらの2本のケヤキについては、境内にいくつもある解説板にはまったく触れられていないので、詳細はまったく分からないのですが、樹齢250〜300年と書かれたプレートがあり、恐らくは初代のエノキが枯れた後、新たなご神木として植えられたものではないかと思います。拝殿の前に相対していて、このような形はイチョウではよくありますが、ケヤキではよく見る形ではありません。そこで、夫婦ケヤキなどと名づけたのでしょう。
特に向かって左のケヤキは張り出した根も立派で、まるでベンチのようです。2本とも樹勢はなかなか旺盛で、境内の大部分を日陰にしています。