浜離宮庭園を汐留口から入園してすぐ左手にいる、クロマツの巨樹です。庭園の外周土手の上に根を張り、枝が園内の方へと伸びていますが、根元より枝先が低い位置に伸びているのがなんとも奇妙な樹です。もともとは能舞台の背景画のような姿だったそうですが、1970年の台風で幹が裂けて地に伏せてしまったとのこと。これをクレーンで吊り上げ、支柱を設置し、今の姿になったそうです。
浜離宮庭園は、1654年、甲府宰相の松平綱重が将軍から拝領した海岸の葦原に造った庭園で、後に綱重の子供の家宣が六代将軍になったため、幕府の庭園になりました。
このマツは、庭園が幕府の所有になった後、大改修を行い、その偉業をたたえて1706年に家宣が植えたものと伝えられています。しかし、誰が名づけたか、「三百年の松」。400年、500年経ったときにも「三百年の松」なのか?と突っ込んでしまいたい樹です。ひょっとして、都心の環境では、あと100年は生きないと踏んでの名前か?だとしたら酷な話です。