武蔵小金井駅から小金井街道を南へ400mほど進むと、坂になります。国分寺崖線、通称ハケと呼ばれる、多摩川の河岸段丘です。坂の左手前にあるわき道を下っていくと、大岡正平の小説「武蔵野夫人」の舞台となった、「はけの道」に出ます。
このはけの道の起点にあるのが金蔵院。ここには、大きなケヤキ数本と、ムクノキがいます。ケヤキのうち1本とともに、ムクノキは市の天然記念物に指定されています。
背はあまり高くなく、10mくらいでしょうか。人家や道路が迫っているため、度々枝打ちをされたようで、その痕跡がごつごつとした幹に残っています。
ムクノキやケヤキなどニレ科の樹は排気ガスには弱く、小金井街道が近いこの場所でこのムクノキが行きつづけていくことは非常に困難が想像できます。しかし、金蔵院に近い民家では、いまでも湧水が湧き出しているといい、地下水には恵まれている場所です。かなり痛みもある古木ですが、これからも長生きしてほしいものです。