浅間山は主に3つの丘からなっていて、東側から堂山、中山、前山という名がついています。名の由来は、山頂に祠があるから堂山、真中だから中山、府中の市街から見て前面にあるので前山、ということだと思います(確信なし)。最も高いのが堂山、低いのは中山です。
その中山の北斜面に、このおみたらしがあります。湧水といっても、ほんの僅かに地面を湿らせる程度のもので、5メートルも流れないうちに地面に戻っていきます。集水域はこの中山の頂上部しかないわけですから、少ないとはいえこの水量が安定的に出ていることは、浅間山の雑木林の健全性を示す指標といえるでしょう。
府中に伝わる昔話では、ここには大蛇が住んでいたといいます。周辺にはかつては蛇久保という地名もありました。蛇は恐れられると同時に神の化身でもあり、水を大事にする信仰と結びついていたことがうかがえます。
おみたらしの廻りには、「府中の名木百選」に選ばれているイヌシデとヤマボウシの大木があります。夏場は葉が茂り、よくわからないので、冬場に訪れてみてください。