貴船神社の渓谷を本宮から遡ること約500m、貴船神社の奥の院にたどり着きます。その奥の院の裏手、更に渓谷を遡ったところに、この立派なカツラがいます。
大きなカツラとしては珍しく、ひこばえがほとんどない、スラっとした姿をしています。カツラといえばひこばえ、というイメージをもつ私としては、多少物足りなさも感じるのですが、樹高の方はその残念さを補ってあまりある高さです。なかなか、これだけの高さがあるカツラに出会うことは少ないのではないでしょうか。本宮の御神木になっているカツラとは、好対照な姿をしています。
この貴船の渓谷は、水が非常に豊富で、訪れた頃には納涼川床の設営が始まっていました。貴船川の流れの真上につくられた納涼川床は、本当に涼しそうです。
清らかな水の多い渓谷だけに、カツラも水分を豊富に蓄え、大きく育つことができるのでしょう。また、両側から迫る山が、風害や落雷から樹を守ってくれるので、目を見張るような高さに育ったのだと思います。
このカツラに隣り合うように、姿の美しいトチノキもいます。見逃さないでください。