八坂神社は、多摩市と稲城市の市境にある尾根筋のもっとも高い場所を選んで置かれたようです。近年は多摩ニュータウンの開発が進み、八坂神社の森は陸の孤島のようになってしまいました。
多摩大学の裏手を走る道路から、わずかに石段を登ると八坂神社の社がありますが、シイの樹は石段の右手低い場所にあります。割と低い位置から幹が2つに分かれているので、巨樹ランキング的には上位に来ることはありません。が、2つの幹ともかなりの太さで、数字ではなく視覚的に「凄い」と思わせる樹です。
古い樹だけあって伝説もあり、樹の前にある解説板には、洞の中には「白蛇が住みついていると伝えられている」とあります。白蛇は神の化身といわれ、古くから信仰がある証ともいえます。
八坂神社の一部は「天王森公園」という名前で多摩市によって整備されていますが、この天王森公園からの多摩ニュータウンと富士山の眺望は、新東京百景に選ばれています。近くには同じく多摩市天然記念物のムクノキもあります。