日暮里の駅近くというと、谷中墓地がある界隈ですが、谷中墓地の中にもシイの巨樹がいて、このあたりには昔からシイがたくさんいたことを想像させます。
延命院のシイも、推定樹齢600年という歴史ある樹です。しかし残念なことに、裏側に民家が迫っているので、枝の広がりが抑えられてしまっています。能舞台の壁に描かれたマツのようだなあ、とも思います。
大きさはなかなかのもので、近くでは迫力を感じるのですが、痛みが多いことは否定できません。枝の広がりも一方に偏っており、樹全体のバランスもよくないので、今後が心配される樹です。とはいっても、都内でも有数のシイ巨樹。日当たりもいい場所ですし、まだまだ頑張ってほしいものです。
延命院の近くには、東京最大のクスノキがある大雄寺や、同じく都指定天然記念物のシイがある玉林寺があります。谷中界隈巨樹めぐりと決め込むのもいいかもしれません。