八王子市と町田市の間には丘陵地帯が続きます。多摩川水系と鶴見川・相模川水系の境目であり、これまでは森が続く地域でしたが、近年、宅地開発が進行し、表土がむきだしになった土地が広がりつつあります。
宇津貫の毘沙門天は、そんな地域の真っ只中にある、まるで陸の孤島のようです。JR相模線沿いの丘の上にある、ほんんわずかな、こんもりとした社叢林で、個人の所有のようですから、かつては屋敷林の一部だったのかも知れません。
この毘沙門天で最も目立つのが、スダジイの巨木です。周囲が開けていることもありますが、大きな樹冠を広げてそびえています。太さとしては極端に大きいものではありませんが、苔むした幹には独特の雰囲気を感じます。