東京大学 本郷のイチョウ並木

Nov.30.2001

 東京大学のキャンパスはかつて、加賀前田家の屋敷だったことだけあって、三四郎池など大名庭園の名残も感じられますが、何と言っても創立百数十年を越えるだけあって、創立当時に植樹されたイチョウやケヤキ、クスノキなどは、もの凄い大木に成長しています。

 このイチョウは、正門から安田講堂へ東西に伸びるイチョウ並木です。安田講堂は、1960年代の大学紛争当時、学生の立て篭もりと機動隊の突入が行われたことで有名ですが、数年前までその当時のまま放置されていました。しかし、東京大学のシンボル的建物であり、近年、講堂としての役割に復帰しています。

Nov.30.2001

 そのシンボル施設・安田講堂の正面に立ち並ぶイチョウ並木ですから、東京帝大創立当時、この並木も安田講堂とともに、大学のシンボルとして設計されたことは間違いありません。両側に建物が迫る位置関係は、決してイチョウにとっていいとは言えませんが、一般道の並木と違って直接的に排気ガスや、車両の事故衝突に遭う危険もなく、この百数十年の間、立派に成長を続けていることが伺えます。

 私が黄葉を見に訪れた日は、学生たちがたくさん出て、一生懸命に落ち葉を掃き集めていました。しかし、風が吹くたびに大量の葉が舞い落ち、まったく作業が追いつかないほど、道路に葉が降り積もっていました。どのような学内組織による清掃かは分かりませんが、恐らく長い間、このようにして学生たちの手で落ち葉が掃かれ、並木が守られてきたのでしょう。そう思うと嬉しい限りです。

 このイチョウ並木には、南北方向から途中でクロスする別のイチョウ並木もあり、こちらも同齢と思われ、太さ・高さ・美しさでもまったく引けをとらない素晴らしいものです。こちらの並木の北の突き当たりには、工学部一号館の正面ロータリーに非常に大きく、美しい単木のイチョウがいます。

 

東京大学 本郷のイチョウ並木

場所 文京区本郷7丁目3番地 東京大学
交通 東京メトロ南北線 東大前駅 徒歩5分
 またはJR上野駅・御茶ノ水駅からバス「東大正門前」下車歩3分
保護制度 指定なし

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