奥多摩街道を折れ、五日市へ向かう睦橋通り沿いに熊野神社があります。表側からは、郊外の何の変哲もない神社といった感じですが、奥の方にちょっと入ると、社殿の脇に大きなケヤキがそびえています。
一見して、火災にあっていることが分かる黒焦げの幹。それを覆うように、若い樹皮がふくらんでいるのが分かります。一度は伐採を考えたのでしょうか、割と高い位置に試し切りの跡がぽっかりと開いています。しかし細かい枝の伸びを見れば、この樹がまだまだ頑張っていることは容易に分かります。
こんな痛々しい姿でも、都内10番目の太さを持つケヤキです。ところが、この樹には古くて読めない立て札が1本あるだけで、何の解説板もありません。もちろん、解説板があればいい、ということではないのですが、土地の歴史にかかわってきた有数の巨樹に対し、ちょっと失礼な扱いじゃないのかなあ、とも思います。……と書いたところ、2001年秋に真新しい解説板が立ちました。まさかこれ読んだわけじゃないとは思いますが。
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ケヤキの回りは割とすっきりしている。
すっきりしすぎ、という気もしないでもない。
写真左手にはケヤキを正面に見るように、
民家の門がある。
毎朝拝まれるケヤキというのもいい。
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近くの法林寺には、立派な枝ぶりのアカマツがいます。ぜひこちらも訪れてみてください。