武蔵野を象徴する樹木と言われるケヤキ。武蔵野になぜケヤキが多いかといえば、すすき野原だった武蔵野を開墾していく上で、ケヤキは防風林となり、葉は畑の肥料となり、材はまっすぐで木目が美しく利用価値が高かったため、屋敷林に好んで植えられたためです。
竹内家のケヤキもこのような経緯で植えられたものと考えられています。竹内家がこの地にやってきたとされるのが1660年代、その頃植えられたものと考えられ、推定樹齢300年。さすがに大きく、遠くからも目立ちます。
しかし、このケヤキの最大の特徴は、この大きさにして美しい樹形を保っているという点です。幹周6.78mというのは、東京都内では十指に入るケヤキですが、これだけ樹形が美しく、しかも健康なケヤキは上位のリストには見当たりません。高さでも、このケヤキに匹敵するものはありません。
このケヤキがある場所は、すぐ北側を青梅街道が走り、南には玉川上水が流れています。玉川上水と青梅街道の間は、江戸時代の開墾期に成立した短冊状の耕作地が今でも見られます。玉川上水の方から眺める竹内家の大ケヤキは、こんもりとした森のようでとても印象的です。
竹内家の大ケヤキは現在も農家の敷地内にあります。逢いに行かれる場合は、なかなか全体像は見にくいのですが、東側の大けやき道から眺めるようにしましょう。上の写真はさらに東側の少年キャンプ場から撮影しています。当然ですが、勝手に農家の敷地や畑に入ってはいけません。
帰りには、青梅街道沿いに少し東側にある小平神明宮にもちょっと立ち寄ってみてください。幹周3〜4m級のなかなか立派なケヤキが何本かいます。