かつては国際基督教大学のゴルフ場だった、都立野川公園。都道14号線、通称「東八道路」に分断された2つのエリアからなる公園は、道路の南側はかつてのゴルフ場を思わせる広い芝生と樹林からなり、道路の北側には野川が流れ湧水が湧くエリアがあります。
その道路北側、西側にごみ焼却場があるあたりにはわずかにフェアウェイの芝生が広がっていますが、その中央に、姿の美しいエノキがいます。まるで、その芝生広場の主が自分であることを強く主張するかのように、悠然と枝を広げています。
近づいて見ると、複数のエノキの合体樹らしく、複雑に絡み合った根が地面から露出しています。幹は高さ1.5mほどの高さから四方八方に広がっていて、その広がりの中央には大人も乗ることができるほどの広さの平らな場所があります。このような樹形は、恐らくゴルフ場を作ったアメリカ人たちが好んで仕立てていったものでしょう。しかし、その美しさは、日本人の美意識にも共通するものがあると思います。