武蔵御嶽神社の前を過ぎ、ケーブルカーから反対の斜面を奥の院方向に進んでいくと、歩きやすい山道が二手に分かれる場所があります。右手、やや登るほうの道には鳥居があり、これが奥の院に向かう道で、一方はお浜のカツラがいる、綾広の滝方面へと向かいます。
その分岐点に、大きなスギがすっくと立っています。樹の前にある案内板には樹高が60mと、にわかには信じられない数字が書いてあるのですが、確かに高い。ちなみに60mもあると、日本有数の高さということになりますが、それほどは高くないように思います。
このスギが「天狗の腰掛け杉」と呼ばれるのは、その大きさとともに、枝の形が由来しているようです。周りのモミノキが邪魔していい写真が撮れなかったのですが、左の写真の反対側にある枝が、水平に1mほど伸び、そこから直上に伸びるという、不思議な形をしています。ここに天狗が腰をかけて見下ろしている、というのだそうです。
高さの数字は怪しいものがあるのですが、幹周6.5mはなかなかのものです。古くからの信仰を集める武蔵御嶽神社だけに、山中にはかなりの太さのスギが多くいますが、その中でも注目に値する太さであることは間違いありません。
御岳山には名木として数えられている樹が、天狗の腰掛け杉を含めて11件あります。名木のリストを別のページに掲載していますので、訪れる際にチェックしてみてください。