ハケとも呼ばれるこの崖下からは無数の湧水が地表に湧き出しています。それらを集めて流れるのが野川ですが、その最上流はJR中央線国分寺駅北側の日立製作所中央研究所と、この真姿の池湧水群から成ります。日立製作所の敷地は普段は非公開のため、流れがJR中央線をくぐる場所までしか辿ることができませんが、真姿の池湧水群は「お鷹の道」と名付けられた親水遊歩道が整備されています。
この湧水群は5つの湧水源から成り、東京の平地部では有数の湧水量を誇る地域です。旧環境庁による「名水百選」にも選ばれています。5つの湧水源のうち、公開されているのは真姿の池とその西側にある最大の湧水源の2ヵ所だけですが、それだけでも非常に見ごたえのある湧水です。
周囲は崖線の深い緑に被われています。この緑地は、ほとんどが古くからの農家が所有し、保存をしている森です。農家はこの湧水の貴重さを知っていますし、そのためには森が必要なことも知っています。一種の里山が、民間の手で大事に保存されているのです。もちろん、国分寺市にとっても貴重な財産です。