月夜根沢の大トチ(1)

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 巨樹オフ会の仲間から、「梁川の月尾根沢にはもの凄いトチの巨樹がいる」と聞き、数人で会いに行くことにしました。

 JR中央本線の梁川駅から倉岳山へ登る月夜根(月尾根)沢の登山道を進みます。沢沿いの道なので常に水音が聞こえ、景色も変化に富んでとても楽しい道です。登山道とはいっても、トチのいるところまではそれほど急な登り坂もなく(沢渡りが数箇所あります)、ペースを守れば息が切れることもないでしょう。

 何度目かの沢を渡ると、そこにはベンチとモミの大木がいます。ここまで約1時間。ここから突如、トチの大木が増えてきます。そこから歩くこと5〜10分、左手、沢をはさんだ対岸に、突然その大きなトチが出現します。

 私たちが到着したのは朝の10時半頃。朝霞が薄く広がり、陽の光が射して幻想的な光景を見せていました。全国中の巨樹を巡り歩いている同行者たちも、その整った美しさと大きさ、そして光のマジックには心動かされたようです。

 沢を渡って急斜面に取り付き、メジャーで幹周を計ると8.03mという数字が出ました。ある雑誌には9mという数字もあるのですが、これは斜面に沿って斜めに計った数字のようです。私たちは傾斜の高い方から1.3mの高さを水平に計り(長い木の枝を拾ってきて、高さを調整!)、この数字を出しましたが、これは山梨県でも日影のトチノキに次ぐ屈指の太さと言えるでしょう。

 このトチの魅力は、もちろん太いことだけではなく、姿も美しく、とても健康であるということです。おそらく2本以上の合体樹だろうと思われますが、その2本が左右対称という感じに、ほぼ同じ高さから同じように枝を広げています。太さの割に若いと言えますし、それだからこそ健康なのだろうとも思います。

 この大トチにはまだ通称がありません。ここでは便宜的に沢の名前を取って「月夜根沢の大トチ(1)」としました。(1)というからには(2)もいます。「月夜根沢の大トチ(2)」は、この女性的なトチとは違い、奔放な姿をした、男性的な大トチでした。ぜひこちらのページもご覧ください。

※ここでは沢の名称を「月夜根沢」としました。現地の案内図や昭文社の登山地図で使用されており、一般的な名称と判断しましたが、国土地理院発行の地形図では「月屋根沢」となっています。

 

月夜根沢の大トチ(1)

場所 山梨県大月市梁川町立野 月夜根沢(月屋根沢)
交通 JR中央本線 梁川駅 徒歩1時間〜1時間30分
樹のデータ 幹周8.03m(実測) 樹高約30m
保護制度 指定なし

Mapionで場所を確認する。


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