北から南へ流れてくる善福寺川が、一旦北へ大きく蛇行するあたりが善福寺緑地です。五日市街道と善福寺川が交差するあたりは、住宅地に起伏が多く、善福寺川の流路が大きく変化してきたことを想像させます。
目指す尾崎熊野神社は、善福寺川の南側、蛇行した川の内側にあります。小学校の斜め向かいから参道に入ると、小さな境内にたどりつきます。
割と建て込んでいる地域ですが、クロマツの姿は割と遠くからでも見ることができます。近づいてみると、やはり大きい。東京で縦に高く育っているマツの巨木といえば、大田区の秋葉のマツが有名ですが、それより僅かに細い程度です。32mという樹高はややマユツバとしても、高さもあり太さもあるマツで、樹勢も旺盛で、東京でも屈指の美しいマツといえるのではないでしょうか。
杉並区は名前の通りスギが区の木ですが、都区内ともなるとさすがにスギが生き延びるのは難しいようで、大きなスギはまったくないようです。しかし、マツの方となると自慢できるところのようで、区の天然記念物にはもう1件、和泉熊野神社にもクロマツの大木があります。
尾崎熊野神社へは、阿佐ヶ谷駅と浜田山駅を結ぶコミュニティバス「すぎ丸」が走っています。もし、浜田山駅からこの樹を訪ねるときには、駅から歩いて数分のところに、都天然記念物の横倉邸のケヤキ並木がいるので、バスに乗る前に訪れてみてください。