熊野神社の大イチョウ

Nov.27.2001

 昭島市あたりの古い道といえば、奥多摩街道になります。この奥多摩街道を辿っていくと、いくつもの寺社のそばを通ることになり、それらの寺社にはやはり、すばらしい樹に出会うことが多くあります。当サイト上で既に紹介している、郷地の大ケヤキ観音寺のシダレザクラも奥多摩街道に程近い場所ですし、未掲載の都指定天然記念物、拝島のフジもこの街道筋の日吉神社にいます。

 そして、この熊野神社の大イチョウも、同じく奥多摩街道から僅かに入ったところにいます。中神のバス停近くの路地を北側に入り、細い道を進んでいくと、鳥居の背後に大きな、荒々しい奔放な樹冠を持ったイチョウが出迎えてくれます。

 多摩地方のイチョウは、都区内のイチョウに比べると、太さでは若干劣る傾向がありますが、どうしてどうして。イチョウのベストテンには入りませんが、6.15mという太さは多摩地方では大國魂神社の大イチョウ石神の大イチョウに次ぐ大きさといえるでしょう。

 地域住民にとっては、大きさよりも重要なことがあります。それは、銀杏の多さです。このイチョウは約500リットルもの銀杏をつけるといい、私が訪れた日も、多くの人が銀杏拾いに精を出し、私にカメラの望遠レンズでどこに銀杏がついているのか見てくれ、とまで言う始末。

Nov.27.2001 Nov.27.2001

 黄葉の前にも一度訪れていたのですが、その時は通りがかりの方から、昨年は銀杏の付きが悪かった、というお話を伺いました。2000年というと、渇水があり、2001年はよく雨が降ったことが記憶に新しいのですが、そうした要素もあったのでしょうか。もちろん、古木になると豊凶が隔年周期になるというケースも多いのも事実で、実際にはどういう理由かは定かではありません。ただ、イチョウの裏手には崖線があり、すぐ近くには水が湧き出している場所もあります。地下水の供給量が変化したことは考えられなくもありません。

 

熊野神社の大イチョウ

場所 昭島市中神1丁目12番地の7 熊野神社
交通 JR中央線・南武線・青梅線 立川駅からバス「中神」下車歩3分
樹のデータ 幹周6.15m 樹高約33m 推定樹齢400年 
保護制度 昭島市指定天然記念物

Mapionで場所を確認する。


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