福生市には、数字的に人目をひくような巨樹はいませんが、実は幹周4〜5mのケヤキの宝庫といえるかもしれません。特に凄いのが、新奥多摩街道から五日市方面へと伸びる睦橋通りの周辺です。このページを含め、4件のケヤキの巨樹を紹介していきます。
このケヤキは多摩地域を代表する清酒・多満自慢を醸造する石川酒造の向かいにある、南稲荷神社境内にいます。注連縄がないので、このケヤキがご神木がどうか、よく分かりませんが、少なくとも大事にされていることだけは間違いありません。
根元を映した写真を見てみてください。この根張りの迫力は写真ではちょっと表現しきれなくて残念です。ところで、樹の後ろ側に何やら橋のようなものが見えると思います。なんと、神社の参道にかかる根を踏まないよう、参道を持ち上げているのです。
幹は綺麗に枝打ちされ、まっすぐに伸びています。そして幹肌には古木独特の波模様がくっきりと現れています。多摩川にほど近いこのあたりは、鎌倉・室町時代には集落を形成していたようです。このケヤキが実際どのくらいの樹齢かは分かりませんが、相当昔から人々の信仰を集めた神社の境内にいて、大事にされてきたのだろうと思われます。
向かいの石川酒造には、幹周でこのケヤキを若干上回るケヤキの巨木や、夫婦ケヤキと呼ばれる1対のケヤキがいます。少し離れた内出交番前交差点近くには、更に大きく美しいケヤキもいますので、同時に訪れてみてください。